特定技能(介護)の在留延長が可能になります!

特定技能(介護)の在留延長が可能に|外国人介護人材にとって大きな制度改正とは

近年、日本の介護業界では慢性的な人材不足が続いており、その解決策として「特定技能外国人」の受け入れが進められてきました。
そんな中、2026年1月実施の介護福祉士国家試験から、外国人介護人材にとって非常に重要な制度改正が行われました。

それが、「介護福祉士国家試験の結果を活用した在留期間延長」です。

これまで特定技能で働く外国人は、試験に不合格になると在留期間満了とともに帰国せざるを得ないケースが多くありました。しかし今回の制度改正により、一定の条件を満たせば日本での在留を継続しながら再挑戦できるようになりました。

本記事では、
・なぜ在留延長が可能になったのか
・どのような外国人が対象になるのか
・施設側にとってのメリット
・今後の採用戦略への影響

について、分かりやすく解説します。

特定技能(介護)とはどんな制度か

特定技能(介護)は、日本の介護人材不足を補うために創設された在留資格です。一定の日本語能力と介護スキルを持つ外国人が、介護施設で直接介護業務に従事することができます。

主な特徴は以下の通りです。

・在留期間は最長5年
・家族帯同は不可
・身体介護を含む介護業務が可能
・日本語能力試験および介護技能評価試験の合格が必要

即戦力として働ける制度である一方、将来的に介護福祉士へステップアップしなければ、長期的な就労が難しいという課題がありました。

これまでの課題|試験不合格=帰国という現実

これまでの制度では、特定技能外国人が介護福祉士国家試験に不合格となった場合、在留期間の更新ができず、帰国せざるを得ないケースが多くありました。

たとえ以下のような状況であっても例外はありませんでした。

・日本で数年間、真面目に勤務している
・介護スキルや日本語能力が高い
・あと数点で合格だった

結果として、施設側は時間とコストをかけて育成した人材を失い、外国人本人もキャリアを断たれる形になっていました。

制度改正のポイント|在留延長が可能に

この課題を解決するために導入されたのが、介護福祉士国家試験における「パート合格制度」と、それに伴う在留延長措置です。

重要なのは、パート合格そのものよりも「在留延長が認められるようになった」点です。

在留延長が認められる主な条件

以下の条件を満たすことで、特定技能(介護)の在留期間を最長1年間延長することが可能になりました。

・介護福祉士国家試験を受験していること
・試験の一部(パート)に合格していること
・総得点が合格基準のおおむね8割以上であること
・翌年も試験を受験する意思があること
・施設と共同で学習計画を作成していること

これにより、「本気で資格取得を目指している外国人」に対して、再チャレンジの機会が与えられる制度へと変わりました。

外国人介護人材にとってのメリット

この制度改正によって、外国人介護人材にとって大きなメリットが生まれました。

まず、試験に一度落ちただけで帰国する必要がなくなりました。これにより、精神的な負担が大きく軽減されます。

また、日本での実務経験を継続しながら勉強できるため、翌年の合格率も高くなることが期待されます。介護福祉士の資格を取得できれば、在留資格「介護」へ切り替えることができ、長期的な就労も可能になります。

将来的には永住や安定就労につながる道が開ける点も、大きな魅力です。

施設側にとってのメリット

この制度は、外国人本人だけでなく、受け入れ施設側にも大きなメリットがあります。

まず、育成した人材を途中で失わずに済むようになります。これまで多くの施設が「せっかく育てたのに帰国してしまう」という課題を抱えていましたが、それが大きく改善されます。

また、長期雇用を前提とした人材育成が可能になるため、教育投資の回収もしやすくなります。職員の定着率向上にもつながり、結果として施設全体の安定運営にも寄与します。

今後の採用は「育成前提」がカギになる

今回の制度改正によって、特定技能外国人の採用は次の段階へ進んだと言えます。

これからは単に人手を補うのではなく、

・日本語学習の支援
・国家試験対策
・定期的な面談やフォロー
・学習計画の作成

といった「育成型の採用」が重要になります。

外国人側も、どの施設が試験対策や在留支援をしてくれるのかを重視するようになるため、支援体制の有無が採用競争力に直結する時代になっていくでしょう。

まとめ|在留延長制度は介護業界の大きな転換点

今回の制度改正は、単なる試験制度の変更ではありません。

・外国人介護人材の定着
・施設側の人材確保
・介護業界全体の安定化

これらを同時に実現する、大きな転換点となる制度です。

特定技能外国人にとっては、「試験に落ちたら終わり」ではなく、「もう一度挑戦できる道」が開かれました。

今後はこの制度を正しく理解し、外国人と施設が一緒に成長していける体制づくりが、ますます重要になっていくでしょう。